2026年10月7日水曜日

おいしい胃液と指点字の共感覚


駅前の交差点近くに大きめの植え込みスペースがあって、ラベンダー、ローズマリー、セージが植えられていた。実家の花壇と同じラインナップだなと思った。ミツバチが飛び交っていたのはセージだけだった。セージもツツジみたいに、花の根元を吸うと甘いことを思い出した。ついでに、セージでハーブティーを淹れてみたら全くおいしさが分からなくてびっくりしたことも思い出した。あれは小学生の時のことだったから、今ならおいしく飲めると思う。花壇のセージはもうないけど。

植え込みの前には、テイクアウト専門の珈琲屋さんがある。夏にその店でエスプレッソトニックを頼んでみたら、おいしかったんだけど、味が胃液すぎると思った。おいしい胃液。さすがにこれは世界の誰かが同じことを言っているだろうと思い、Xで「エスプレッソトニック 胃液」と検索した。すぐに全く同じことを言っている人が見つかってホッとした。

花壇を見て、今日はやっていないその珈琲屋さんを見て、職場に行った。私が仕事で使う指点字には略字がある。よく使う言葉を少ないタップ数で伝えることで、通訳のラグを小さくできる。略字は便利ではあるが、前置符ごとに明確な共通項があるかというとそうでもないので、正直覚えにくい。

通訳者歴も5年を超えて、略字が共感覚的なイメージとともに記憶されていることに気がついた。例えば「環境」は、6の点(右手薬指)プラス「か」(左手人差し指+右手薬指)の2タップなんだけど、遠いところをぐるっと囲むイメージが紐づいている。「情報」は456の点(右手の人差し指、中指、薬指)プラス長音一字下げ(右手と左手の薬指)の2タップで、これは情報となるもの(縦)を横に流していくイメージと紐づいているなと思った。点字には、ひらがなとアルファベットと数字で同じ配置のものがある。例えば「ら」「5」「e」は同じ指の配置なんだけど、どれも緑色のイメージが先に立って思い出される。「r」と「ち」はショッキングピンクだったりと、こちらは指の配置と色が対応している。

通訳中は必死で、どんな思い出し方だろうとなりふり構っていられない。でも、ひと段落して振り返ると、さっきの思い出し方は変だったなと思うことがある。何と何を紐づけているのか、気づいたらメモするようにしようと思った。