2026年10月6日火曜日

つぶれチョコレート


昼に画材を買いに行ったあと、夜まで家にいた。21時頃、iPhoneから「今日は全く歩いていません」という旨の通知がきて、昨日もほぼ家から出ていないんだったなと思った。二日連続で歩かないのは体に悪い気がしたので、買い物を兼ねて外に出ることにした。

階段を下りるとき、下の階に住むおばあさんの部屋から「紅茶のおいしい喫茶店」という歌が聞こえてきた。90歳を超えるというおばあさんは一人暮らしだ。耳が遠いので音量を上げて観ているテレビは、四六時中音漏れしている。今では逆に、聞こえないほうが不安になる。一度、家の外からお経が聞こえてきてビビって外に出たら、お向かいさんの法事だとわかって安心したこともある。

スーパーには、横幅と縦幅が同じくらいある球体のようなおじさんがいた。無性にチョコレートが食べたい気がしてお菓子売り場に行ったら、知らないお菓子がいくつもあった。明治の「生のとき」というチョコレート菓子を買ってみた。仰々しく梱包された中には、ねっちりとしたミルクチョコレートが入っていた。ベイクが溶け合って一つになったような、カントリーマアムチョコまみれが鞄の中で潰れた時のような。おいしいことはおいしいんだけれど、パッケージに助けられ過ぎているお菓子だった。梅干しで言う「つぶれ梅」のような、「つぶれチョコレート」といった感じがした。鞄の中で潰れ、また固まったことで別の物体のようになったチョコレート菓子も、それはそれでおいしかったりするよなということを思い出させてくれるお菓子だった。ニッチな需要が満たされる。