2026年10月6日火曜日

つぶれチョコレート


昼に画材を買いに行ったあと、夜まで家にいた。21時頃、iPhoneから「今日は全く歩いていません」という旨の通知がきて、昨日もほぼ家から出ていないんだったなと思った。二日連続で歩かないのは体に悪い気がしたので、買い物を兼ねて外に出ることにした。

階段を下りるとき、下の階に住むおばあさんの部屋から「紅茶のおいしい喫茶店」という歌が聞こえてきた。90歳を超えるというおばあさんは一人暮らしだ。耳が遠いので音量を上げて観ているテレビは、四六時中音漏れしている。今では逆に、聞こえないほうが不安になる。一度、家の外からお経が聞こえてきてビビって外に出たら、お向かいさんの法事だとわかって安心したこともある。

スーパーには、横幅と縦幅が同じくらいある球体のようなおじさんがいた。無性にチョコレートが食べたい気がしてお菓子売り場に行ったら、知らないお菓子がいくつもあった。明治の「生のとき」というチョコレート菓子を買ってみた。仰々しく梱包された中には、ねっちりとしたミルクチョコレートが入っていた。ベイクが溶け合って一つになったような、カントリーマアムチョコまみれが鞄の中で潰れた時のような。おいしいことはおいしいんだけれど、パッケージに助けられ過ぎているお菓子だった。梅干しで言う「つぶれ梅」のような、「つぶれチョコレート」といった感じがした。鞄の中で潰れ、また固まったことで別の物体のようになったチョコレート菓子も、それはそれでおいしかったりするよなということを思い出させてくれるお菓子だった。ニッチな需要が満たされる。

2026年9月22日火曜日

自由が丘と滑りにくい靴


6年ぶりくらいに自由が丘に行った。東横線に乗り込むと、狭山観光の広告が掲示されていた。その前に乗っていた千代田線には箱根の広告があった。この電車がこの後どこまで行くのか、想像させる広告だなと思った。本当に疲れているときにそんな広告を見たら、目的地で降りずに、そのまま広告の中に広がる自然をこの目で見に行こうとしてしまうかもしれない。上野駅で、土浦行きの電車を上海行きと空目したことも思い出した。本当に上海まで行くなら乗りたいと思って二度見したら、やはり土浦なのだった。

友達たちのフリーマーケットに顔を出した後、ムーンスターで靴を新調した。私は足が大きめなのでパルコやルミネには履ける靴がほとんどなく、ハタチくらいまでは無印で靴を買っていた。この間も、妹の結婚式のためにパンプスを買いに池袋の商業施設を全て回ったところ、履けたのは一足だけだった。デザインを選べる段階にいない。無印にはレディース・メンズの区別なく、0.5cm刻みで靴が用意されていた。しかし無印の靴は私には靴底が薄かったようで、夏はアスファルトの熱さが足裏を襲い、冬は指先が凍えるように冷たくなった。他の靴と比較する機会もそうなかったので、靴とはそういうもんだと思っていた。そこに現れたのが、ムーンスターの810s(エイトテンス)というプロダクトラインだった。無印の靴と見た目というかトーンが似ていて、サイズも男女の区別なく0.5cm刻みで用意されていたので、なんとなく一足買ってみた。足裏が熱くもならず、冷たくもならないことに感動したのをよく覚えている。

810sはプロユースの靴を日常用にデザインしたもので、私は厨房用の、油でぬるぬるの床でも滑らないという靴を買い続けている。地元京都は石畳が多く、雨上がりに滑らないのはとても心強いのだ。ちなみにコンバースはめちゃくちゃ滑る。連れが石畳で滑った時は肘をガシッと持って引き上げると尾てい骨を救ってあげられます。

元々履いていたのは紐靴だったんだけど、同じ靴底でマジックテープタイプのものが出ていたので、試し履きさせてもらった。紐靴のときは若干余裕があるかなという感じだったのだが、新しいマジックテープタイプは店員さんの言う通り少し小さめの作りだった。これから冬にタイツと靴下を重ね履きしたり、分厚い靴下を履いたりすることを考えて、ワンサイズ上のものを購入した。今まで810sは基本的にネットで買ってきたのだけど、今回、自由が丘ついでに試し履きをして良かったと心から思った。

帰り道、駅で、スヌーピーのお揃いのストラップと、スヌーピーみたいな犬のお揃いのバッヂをカバンにつけているカップルを見た。そういう犬を飼っているのかなと思った。

2025年9月9日火曜日

うろ覚えラブシャッフル

のだめ千秋役と香里奈が主人公。のだめ千秋は恋人の貫地谷しほりとは破局間近の雰囲気。一方香里奈は恋人のDAIGOが頼りなくて不安になっている。

そんなある日、のだめ千秋、香里奈、F4の和風な人、おしゃれイズムに出てた気がする人の4人が同じエレベーターに乗り合わせる。実はみんな同じマンション住みだったらしい。ところが、乗っていたエレベーターが事故で止まり、4人は閉じ込められる。

色々話す中で、4人それぞれ恋人がいるが色々難儀な状況であることが発覚。おしゃれイズムがお互いの恋人を交換して1週間過ごしてみることで、元の恋人の良さに気づかせることができるのではと提案。その名もラブシャッフル。マンションの共有スペースでトランプを男4人女4人に配り、せーので表にしてこの先一週間の恋人相手を決めることに。

そうこうしているうちに、みんなトイレに行きたくなってくる。エレベーターはまだ開かないので絶体絶命。偶然誰かが紙コップみたいなのを持っていて、全員に配る。4人はばらけて四つの角へそれぞれ向き、男性陣はいそいそと用を足す準備をし始める。音姫の代わりに歌を歌おうと男性陣の誰かが提案して、男三人が気分よく歌い始める。香里奈は「音はどうにかなっても、においはどうするんだよ…!」と心の中でツッコんで1話エンディング。


においというか足した用はエレベーター開くまで手に持ってるのか…?と疑問に思った記憶がある。自分が作業員だったとして、開けたエレベーターの中で4人全員が用を足した紙コップ持って立ってたらどうしよう…と思って、何回かシミュレーションをした。

他に覚えていることとして、おしゃれイズムは恋人として裸足の足首に鈴をつけた白ワンピースの吉高由里子を連れてくる。
あと多分F4和風の恋人として、マダムが一人参加していた。DAIGOを可愛がっていたこともあったが、最終的におしゃれイズムといい感じになってた気がする。

のだめ千秋は終始なんかうじうじしてて頼りない感じに見えていたが、ドラマ中盤で貫地谷しほりはスキー場でこけて若干遭難しかけていたところをのだめ千秋に助けられて恋に落ちたというエピソードが語られる。それを見たお母さんが「これは惚れるわなあ」と言っていて、「そうなんだ」と思った。実際中身はのだめ千秋じゃないスタントマンなんだろうけど、パラレルターンでシュシュシュと自分の元へ駆けつけてくれるのはかっこいいのかもと思った。ボーゲンだったら幻滅だったのかもしれない。

2025年6月22日日曜日

120km/h

 


弾丸で、福島にある諸橋近代美術館に行ってきた。
「ととのう展——ヘルスケアにつながる美術館」という企画展の、マインドフルネス関連のパネルを関西大学の小室先生が監修していると聞き、見に行くことにしたのだった。

車で行ってみたら高速使っても片道3時間半で、思ったよりも遠かった。
帰り道、栃木らへんで最高速度120km/hの区間があった。普段使う高速道路は最高速度100km/hなので、さらに20km速く走って良いわけである。三車線の真ん中を怖気付いて100km/h前後のまま走っていると後ろからくる車にどんどん追い越されるので、自分も120km/h出してみることにした。
感想は「意識した側から過去になっている」である。ああ、もうすぐカーブだから少し体を傾けるかと思った時にはもうカーブを通り過ぎているみたいな……。どうやってカーブを曲がり切ったのか、認識する前に通り過ぎて思い出せないのだ。動体視力が追いつかない。新幹線の運転手はこの倍以上のスピードで走るのだからとんでもないことだと思った。
120km/h出すのは少し頑張ってみて、すぐやめた。心臓が知らない痛みを訴えていた。
そして、今の自分が実感を持って走れるのは大体98km/hくらいだと理解した。下り坂で100km超えてはまた90km後半になるくらいが自分の身の丈に合っている。

120km/h区間が終わり、さらに少し行くと少し道が狭くなって、気づいたら80km/hで走っていた。流石に遅すぎるかと思って標識を見ると80と書いてあって、適当だったことがわかった。こういうことがよくある。なんとなく40km/hで走っていると実際40km制限の標識が立っていたり、ここは60km出せるなと思ったら標識に60と書いてあるのが見えたりといった具合だ。そういう時、国の道に対する見解と自分の実感が一致しているなと思う。

2025年6月21日土曜日

長葱のティラミス

 


奨学金採択祝いにケーキ屋さんに行った。
そこは野菜を使ったスイーツが売りのお店で、長葱のティラミスと蕪のレアチーズケーキを買って帰った。
黒豆茶を淹れて、ケーキを食べた。同居人が長葱のティラミスに対して「『おいしい』と言いたくなる味」と言っていた。一口もらってみると言いたいことがなんとなくわかり面白かった。

しずくちゃんである女の子のキャラクターが「ヘルシーなケーキを作ったよ!」と野菜でできたホールケーキを持ってくるシーンを思い出した。それはホイップの代わりにマヨネーズが使われていて、ケーキというよりほぼサラダやサンドイッチみたいな感じなんじゃと思った記憶がある。

今回食べたケーキを作ったパティシエは野菜のカッティングと火入れに多分とてもこだわっていて、口に入れた時の食感や味の感じ方が計算し尽くされている感じがした。野菜の甘みの引き出し方と相乗効果を生む素材の組み合わせの実験は自分でもちょっとやってみたいなと思った。パフェもそういう組み立てを試行錯誤できる媒体だと思う。