手術当日
7時から絶飲なので、6時58分くらいに水をガブガブ飲んだ。手術後の一晩を過ごす集中治療室(ICU)に持って行く荷物をまとめておくように言われ、ICUへのしおりみたいなのを見ながら準備を進めた。歯ブラシやストロー付きのコップ、スマホの充電器やタオル数枚、お借りした前びらきの術衣やおむつを袋に入れた。遠足前日みたいでちょっとおもろい。
先ほどまとめたICU宿泊セットを持って8時50分くらいに手術室へ移動。移動時は自分のパジャマを着て行った。手術室とICUのある3階は降り立った瞬間から全てが青緑色だった。壁も床も扉も青緑色なので、補色の関係で視界に赤味が増す。青緑色に囲まれてはじめて「これから私の身体に手が加えられる」ということに自覚的になった。
「寝ている間に全部終わる」と聞いていたけれど本当にその通りで、白くてふわっふわのベッドに寝転んで呼吸器(麻酔)をつけたが最後、ぼんやり「手ぐーぱーして」「お名前は?」など聞こえてきた時には手術は終わっていた。気づいたら術衣を着ていて、尿管もついていて不思議な気分……。てか着てきたパジャマどこいった?
両ふくらはぎには血栓を防止するためのバルーンみたいなのもついてて、片方ずつふくらんではしぼんでいく。この時点ではこれくらいしかヒマつぶしになるような外からの刺激が無かった。床ずれ防止のために、夜の間中2時間おきに看護師さんが右と左に交互にクッションを入れて体をかたむけてくれた。効果があるのか正直よくわからなかったけど委ねるしかなかった。