2019年12月21日土曜日

テレビをつけるとぬか漬けの魅力を紹介する番組をやっていて、ぬか漬けの虜になっているある女性がフィーチャーされていた。

彼女は自宅にある祖母から受け継いだ50年もののぬか床を見せてくれたり、キッチンでキュウリのぬか漬けとゆでたまごのぬか漬けで作るたまごサンドの作り方を披露してくれたり、何十種類もの食材(何百だったような気もする)を今までぬかに漬けてきた事実とその結果どれがおいしかったかの考察等様々な方向からぬかとの暮らしを見せてくれた。そのぬかとの暮らしぶりについては彼女の自宅で、その後の彼女へのインタビューは近くの川辺で撮影されていた。

彼女は川辺を散歩しながらインタビューに答えているのだが、なぜか手に壺のようなものを持っている。中身はぬかだった。

「天気が良い日はこうやって一緒に散歩をしたりします」

そんなことを言っていたがテレビだからなのか本当に普段からそんなことをやっているのか、わからなかった。壺はその大きさも相まって一見骨壺のようで、亡き故人と散歩をする人にしか見えなかった。壺は茶色で持ち手があるものだったのでよく考えれば骨壺ではないとわかるのかもしれないが、もし公園で彼女のような人に遭遇した時まさかぬかと散歩しているとは夢にも思わないだろう。骨壺の方がまだわかる。

最後に彼女が川辺の柵に寄りかかった状態でぬかへの愛を語っている時、手元の壺の蓋が開けられぬかがこちらに見えるようになっていた。ぬかがこっちを見ているようでなんとなく気味が悪かった。