リハビリテーションを受けて、介助における「一、そばにいろ 二、目を離すな 三、手を出すな」(上田敏、『リハビリテーション医学の世界』、p.350)を被介助者側で体験できたことは貴重なことだったと思う。なぜなら私自身が目と耳両方に障害を持つ盲ろう者の支援者として働く中で、これらのことを肌感で実践してきたためだ。(盲ろう者の介助の基本は「待つ」ことだ。良かれと思ってと言い訳しながら強引に手を出すことは、ただ目の前のまどろっこしさに耐えられない弱さであり、全く本人のためにはならない。)
退院し療養中の今、自分を自分自身で介助するようなまなざしを持って生活している実感がある。観察者も対象も自分自身ではあるが案外取りこぼしは多く、気づけなかったことがあるという事実に向き合う必要もある。