2019年12月16日月曜日

高校生の時、学校単位で大阪梅田に行き劇団四季のCATSを観る機会があった。その公演は午後からだったので友達2人と私の3人はちょっと早めに梅田に行き、中崎町にあるカフェでご飯を食べてから集合場所に行くことにした。
梅田から中崎町へ向かう途中、足元のおぼつかないおばあさんが点字ブロックにつまづいて私の方へ倒れてきた。急なことだったので私はとっさにおばあさんを避けてしまい、おばあさんは地面に強く体を打ち、立てなくなってしまった。おばあさんはしきりに梅田駅に行きたいと言うので友達の1人がおぶって連れて行こうとしたが岩のように重くてびくともせず、途方に暮れた私たちは近くにあったホテルのお姉さんに知見を求めに行った。お姉さんはこのおばあさんはホテルのお客さんではないから原則ホテルで対応できないことを丁寧に教えてくれた上で、梅田駅に連れて行ったところで立って歩けないならば家族が迎えにきてくれるなどでない限り次はそこから動けなくなるだけで根本的な解決には至らないのではということで家族に連絡してもらうさもなくば救急車を呼ぶのが良いのではないかと提案してくれた。戻った私たちはそのことを伝えたがおばあさんは家族も救急車も拒んだ。倒れているお婆さんの周りで制服姿の3人の学生がおろおろしていたからか通りかかったお姉さんが心配して話しかけてくれた。状況を話すと半ば強引に119への通報とその後の対応を請け負ってくれた。私たちは救急車が無事に来ておばあさんが運び込まれるのを見届けてから再び中崎町へ向かった。

おばあさんが点字ブロックにつまづいた瞬間のことをよく思い出す。
これも段差なんだということ