小学校なんかでの集合写真の際「いちたすいちは〜?」「に〜!」というやりとりをしてシャッターが切られることが多かったが、あれは母音がIの文字を声に出していうことで口角を上げ、半ば強制的に笑顔を作らせるうまい方法ということは知っている。「スシ」も語尾がシで母音がIのため同じ効果を生んでいるのだろう。
日本では、英語圏の「Say cheese!」が元であろう「ハイ!チーズ!」という言葉が一般的な気がする。そういえば、英語圏では「Say cheese!」と撮影者が言ったら撮られる側みんなで「Cheese!」と言うが、日本では「ハイ!チーズ!」と撮影者が言うだけだ。「Say cheese!」は「チーズと言って!」という意味なので、撮られる側みんなで「Cheese!」と言うことは何もおかしくないし寧ろ撮られる側の人たちの口角が上がって自然と笑顔を作れる。日本では掛け声である「ハイ!チーズ!」と言うのは撮影者だけで、写真を撮っている時一番自然な笑顔なのは撮影者かもしれない。
そういう意味では「チーズと言って!」の代わりに「スシと言って!」を導入したこの旅行会社は賢いなと思った。「いちたすいちは〜?」「に〜!」の説明をするのは面倒だろうし、スシなら日本ぽいし知名度も高い言葉だし。「ハイ!チーズ!」だと「Say cheese!」とあまり変わらない上に、言うのは撮影者だけで、そのため記念撮影の際に撮影者だけが自然と笑顔になる日本の現状をどう説明すればいいのか私にはわからないし。
実際、記念撮影の際に撮影者だけが自然と笑顔になっているのか今度観光地かなんか訪れた時に確認したいと思う。